TIAM

kids fashion magazine

Feature

INTERVIEW with
NATSUKO TAKAHASHI

私がBorderless Kids
を通して伝えたいこと

 

子どもって、

当たり前に生まれてきて、当たり前に大きくなっていく。

そう思っていませんでしたか。

 

もし、自分の子どもが他の子と少し違ったら。

当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなかったら。

 

そんな状況とポジティブに向き合い、同じ思いのパパやママ、

子どもたちのためにビジネスをスタートさせた女性がいます。

 

 

ありのままを受け入れて

その子の良いところを育てていく

 

長男は知的障がいと自閉症なんですが、それが分かったのは3歳の時です。

今思い返せば、生まれた時からいつも泣いていました。

ベッドに置いたら泣くし、もうずっと抱っこ。

でも初めての子供だったので、これが普通なのかと思っていて。

 

11ヶ月検診の時にはハイハイも、まだちゃんとお座りもできませんでした。

でも検診の時には問題ないと言われて。

 

心配していた母にそれを伝えたら

「ほんとに?一人遊びが楽しくなる時期なのに、その様子もないし一度調べてみた方がいいよ」

そう言われて大きい病院を受診しました。

 

その後、3歳になるまでの間1ヶ月おきに検診をして様子を見ることに。

病気からの可能性もあるので神経回路や脳波の検査もしましたが異常はなくて、病気ではない、体は問題ないと。

そして、3歳過ぎのIQ検査で自閉症と診断されました。

 

自閉症の診断がくだるかくだらないかの時、webで検索して色んな方のブログなどを読んで

「あぁ・・・私の人生終わりなのかな」

って。

ネガティブな情報も多かったし、すごく悩みました。

 

そんな時に、同じ状況でもポジティブに生きている他のお母さんの言葉に救われたんです。

「ありのままを受け入れて、その子の良いところを育てていく。

そういう育児の方が本人も生きてて楽しいし、親も楽しい。」

それを言われた時に、それしか道がないと気づいたんです。

 

 

 

きっかけは自閉症の長男との日常から

彼女が作る服は

「こんなのあったらいいな〜」

を形にした服。

セレクトしたオモチャは日本にはない知育玩具。

 

長男は中度知的障がいを併せ持つ自閉症なので、まずは身辺の自立が課題になるんです。

着替えや歯磨きっていう当たり前のことなんですが、

靴下を履くにも目が泳いじゃって、指先も力が入らないし上手く履くことができなくて。

 

療育の先生からは

「目印を付けたらどうですか?」

と言われたんですが、靴下全部に印をつけるのは骨が折れるし・・・。

探してみたらおばあちゃんのはあったんですよ!

「これの小さいサイズがあったらいいのに!」

って。

それがブランドをスタートさせるきっかけですね。

当時は主人の仕事を手伝っていたんですが、

「必要なら取手がついてるの自分で作ってみたら?」

と背中を押してくれたことも大きかったです。

もし売れなかったら必要な人に配ればいいよって。

 

猫の耳や取っ手がついた靴下の誕生がブランドスタートのきっかけ。
「ソックスは感覚過敏の次男も気に入っています」

 

オモチャも普通の感覚では選べなくて。

療育で使っているオモチャは先生の手作りなんです。

ペットボトルの蓋の開け閉めを練習するのに、口の部分だけを切ったオモチャとか。

 

 

なんで日本にはこの子達のためのオモチャがないんだろう?

アメリカにはあるんですよ。そういうオモチャが。

そこで、直接アメリカのブランドに連絡して取引をスタートしました。

英語は分からないので翻訳機能を使って。

そうしたら仕入れた商品が思いの外売れまして!

スペシャルニーズを持つ子どもにっていうのは根幹にあるんですが、

グレーゾーンの子とか、色合いもキャッチーで可愛いから、そうじゃない子にも売れてるんです。

 

高橋さんが海外から買い付けたオモチャはオンラインストアで購入可。
ファッション業界にいた石堂さんのセンスが光る商品ラインナップ。

 

 

知名度が欲しいんじゃなくて

自分の得意なことで伝えていきたいことがある

 

今の社会って発達障害の方に対して壁を感じるんです。

アメリカなどは多様性を国として推進していて、発達障害や自閉症でも堂々と生きているけど、

日本はそうじゃないなと感じることも多くて。

 

例えば、多動性が強いお子さんをお持ちのママは、公園で遊ばせることも躊躇してしまうという話をよく聞きます。

周りの人の視線が痛いから、夕方以降みんなが帰る時間に公園に行って遊ばせたり。

吃音なんかも奇異な目で見られますね。

 

ニューヨークに住んでいたことがある、自閉症の中学生を育てられているカウンセラーの方がいるんですが

向こうだと体の大きなおじさんが大きな声を出していたとしても

「あ、この方そういう感じね」

と、周りが理解して当たり前に受け入れているそうなんです。

だから日本でシャットアウトされるような空気を感じると寂しくなると。

 

日本の場合、それって相手が悪いんじゃなくて、そういう話を聞く機会やそういう人たちと接する場面がないんですよね。

インクルーシブ教育に関しては国連からも

【日本は先進国でありながら支援級や普通級と分けていることがナンセンス】だと言われています。

 

うちの息子は公立小学校の支援級に通っていたんですが、対応しきれないと言われて支援学校に転校しました。

海外だと人数を少なくして対応しているのが当たり前なのに、日本のシステムだと難しいって。

息子と一緒にいて思うんですが、押さえつけられることって誰だって嫌だし、

子供の気持ちを親が理解して向き合うことで、知的発達障害の子でも応えてくれるんです。

支援級から支援学校に行ったらそれを理解してくれるスペシャリストの先生がいて、

子どもより楽しく通えるようになったんですけどね。

 

私は今までの自分の経験を生かして商品を作ったり販売していますが、

それを通して発達障害のお子さんを持つ親御さんだったり、当事者の方々と

ポジティブなことを共有したり、シェアしたいと思って活動しています。

Borderless Kidsを通して、これからもそれを発信していきたいです。

 

・・・

 

「自分がいなくなった後、この子はどうなっちゃうんだろう、

って考えることもあります・・・」

という言葉が高橋さんの口から出た。

 

こんなにポジティブで明るくてキラキラした高橋さんでさえ、当たり前に不安もある。

同じように不安を抱えるパパやママのため、

そして将来子どもたちがもっと自由に堂々と生きていけるような社会を作るため、

高橋さんは活動している。

 

 

ABOUT

Borderless Kids

生地の調達や縫製にこだわり、アグレッシブに動きまわる子ども達に適したクオリティーを追究。

ブランドコンセプトでもある”Borderless”どんなお子様でも着やすく、

“Genderless”男女問わず着られるデザインで、

“Effortless”その子らしさを活かす気取らないデザインがモットー。

 

高橋 奈津子

大手アパレルを経て、人気ヘアサロンのオリジナルヘアケアプロダクトに関わる。出産を機に退職。

中度知的障がいを併せ持つ自閉症スペクトラムの長男(6歳)とわんぱく盛りの次男(4歳)を育児しながら、

2019年に輸入おもちゃの販売からBorderless Kidsをスタート。

2021年、新たにウエア展開。

 

Borderless Kids

https://borderless-kids.com/

Instagram @borderless_kids

 

Writer : 石川 明日香

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