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Information

Natsuko Takahashi ×
Takako Noel

『その視線たちの真ん中に立つと』

ボーダーレスな世界に触れ、思わず涙が出そうになった

現在ヒカリエで開催されている写真展「その視線たちの真ん中に立つと」は、スペシャルニーズを持つ子どもたちとその兄弟や友人たちの姿を、ビジュアルアーティストのTakako Noelさんが撮影したもの。

自分の中ではボーダーレスだと思っていた感覚には、実はまだまだ見えない壁があったんだ。
そう思わせられたのは、Takako Noelさんが撮った子どもたちが、どんな個性を持っていても純粋で、とにかくもう可愛くて、キラキラしていて・・・あぁ、これがボーダーレスっていうことなんだ、と頭ではなく感覚で理解できたから。

障がいと聞くと、ちょっと構えてしまうのは仕方のないことなのかもしれません。
でもこの写真の中にいる子どもたちを見てほしい。
子どもたちのピュアなエネルギーを感じることで、みんな一緒なんだ、と感じました。

Asuka Ishikawa

Borderless Kids 高橋 奈津子 × ビジュアルアーティスト Takako Noel

- お二人のことを教えてください

Takako:
フォトグラファーです。
ファッションや広告などを撮っています。
今は東京とメキシコ、半々の生活を送っていて、メキシコではユカタン半島にあるセノーテ(マヤ時代にできた聖なる泉と呼ばれる場所)をメインに撮影し、写真集制作をしています。

メキシコには3年前に初めて行ったんですが、目に入るもの全て撮りたくなりました。
当時、日本にいて少し煮詰まっていたというか、自分の中の価値観が成長できていないように感じていました。 でも、メキシコに行ったら「目でシャッターを押したい!」と久しぶりに思わせられるような感覚でした。

Natsuko :
スペシャルニーズを持つ子どもたちのためのおもちゃや雑貨、オリジナル商品を販売するBorderless Kidsというセレクトショップを運営しています。
長男が自閉症で、息子のためにアメリカからおもちゃを購入したことがきっかけで、同じように必要としている方のためにスタートしました。

今は活動の幅が広がって、ノウフク(農福)(※)というプロジェクトに携わったり、今度アースデイの日にシンゾーンが地球を意識したPOP UPを開催するんですが、そこに出店する予定があったり。元々は障がいを色んな人に知ってもらったり、障がいを持つお父さん、お母さんが前向きになってくれたらと思って始めたんですが、今はそれを超えた取り組みになってきています。


※農福連携とは、障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組です。
農福連携に取り組むことで、障害者等の就労や生きがいづくりの場を生み出すだけでなく、担い手不足や高齢化が進む農業分野において、新たな働き手の確保につながる可能性もあります。
農業と福祉(障害者)の連携という狭い意味で捉えられがちな農福連携ですが、農の向こうには農林水産業や6次産業などがあり、福の向こうには障害者だけでなく、高齢者、生活困窮者、触法障害者など社会的に生きづらさがある多様な人々が包摂されます。
2019年6月に発信された農福連携等推進ビジョンでは、「農福連携を、農業分野における障害者の活躍促進の取組にとどまらず、ユニバーサルな取組として、農業だけでなく様々な産業に分野を広げるとともに、高齢者、生活困窮者、ひきこもりの状態にある者等の就労・社会参画支援、犯罪・ 非行をした者の立ち直り支援等にも対象を広げ、捉え直すことも重要である。」と明記されました。その後多くの場面で「農福連携」から「農福連携等」と表現されるようになった背景には、農と福のもつ意味の広がりが生み出す新たな価値への期待が込められています。
(農林水産省ウェブサイトより引用)




- 今回コラボレーションして写真展を行うことになったきっかけは?

Natsuko :
ボーダーレスな社会になってほしいな、と思っていて、そのきっかけとして写真展を企画しました。
たくさんいるフォトグラファーの中から、いいな!と思う作品がノエルさんのものばかりだったので、思い切ってご本人にメールしました。
そうしたらすぐにお返事をいただき、この企画がスタート。

Takako :
ちょうど、光迷子になってたんだったんです。
ピュアなものを探していたんです。真理に近い存在を。

そんな時にちょうどお話をいただいて、撮影前に子どもたちとお会いして「あ、これだ!」と思いました。
良い意味で社会のフィルターがかかっていない純粋な本物の光を撮らせてもらった感 覚で、とても救われました。
撮影中、そして写真を編集をしていた時間は子供たちにどこか違う清らかな空間に連れ去ってもらった気持ちでした。「自閉症」という言葉を社会が作ってしまったけれど、実際に接してみる と彼らは全く閉じておらず、それぞれが深く開けた世界を持っている。恐竜のおもちゃひとつに1 時間の集中力を持って味わうことができる感性があったり。言語によるコミュニケーションは難しいかもしれませんが、それ以外の感覚やコミュニケーションがとても研ぎ澄まされていて、その 感覚はこれからの社会のあり方を考える上で重要な視点を与えてくれると思います。

-今回の展示を通りして、伝えたいことはなんですか?

Takako :
子どもたちの笑顔や瞳から、来てくださるかたそれぞれが、それぞれの感じ方をしていただけたらいいなと思っています。 メディテーションのように、頭で考えすぎて見えなかったものをこの空間に入って感じてほしいで す。

Natsuko :
福祉色が強いイベントだとハードルが高いと感じてしまう方も多いと思うので、今回Noelさんに撮り下ろしていただいた、子どもたちのキラキラしたボーダーレスな世界観を通して知っていただくきっかけになれば、と思っています。
インクルーシブな社会って何だろう?とよく考えるのですが、子どもたちを見ているとヒントがたくさんあって、いつも原点に立ち返るきっかけをくれます。
気軽に足を運んで楽しんでもらいたいです。
子どもがキラキラしている可能性を秘めているっていうのは、みんな同じなんだということを伝えたいです。



写真展は4/7(日)まで渋谷ヒカリエ8Fで開催中

Borderless Kids × Takako Noel 写真展 「その視線たちの真ん中に立つと」

Date : 2024.4.2(TUE) - 4.7(SUN)
Place : 渋谷ヒカリエ 8F aiiima 1 Gallery | Creative Lounge MOV 入場無料
OPENING DAY 2 (TUE): 14:00 - 20:00
3 (WED) - 6 (SAT) : 11:00 - 18:00
LAST DAY 7 (SUN) : 11:00 - 17:00

協賛
心豊かな社会をつくるための子ども教育財団
株式会社シンゾーン
トップオーシャン株式会社

今回の展示ではBorderless Kidsが扱う玩具や雑貨の販売も行っています。

ABOUT Borderless Kids

すべての子どもが楽しく遊べる玩具をセレクトし販売するオンラインショップとして 2019 年 に創業。知的障がい者を積極的に雇用し、安心・安全な材料で作られている日本理化学工業の Kitpas クレヨンのほか、発達障がい研究の先端国であるアメリカ製の玩具などを扱う。代表が自身の育児経験を活かしたオリジナル商品も展開する。

Takako Noel / ヴィジュアルアーティスト
フィルムカメラを駆使し、自身の死生観を表現した夢と現実の狭間のような幻想的な作風で知られる。
現在は東京とメキシコを拠点に活動。上智大学卒。
London College of Fashion, Fashion media and communication 科修了。
1991 年東京生まれ。

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