「ARCH&LINE」 と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
「東京ブランド」「海外進出」「トラッド」「男の子服」
東京発のブランドでありながら、初めて出たパリの展示会では誰もがびっくりするようなオーダーがつき、
一躍その名を世界に知らしめたブランド。
グローバルな展開をする一方で、物づくりに対するこだわりや愛情は計り知れず、
ブランド設立時から変わらぬ職人気質なスタッフ達。
広がりと奥深さとか共存した「一言では語りきれない」そんなブランドです。
今回はそんなARCH&LINEのデザイナーで代表も務める、小池直人氏にインタビューしました。
「ラフシモンズのファーストコレクションでファッション熱に火がついた」
- ブランドのことを伺う前に、小池さんのことを掘り下げていいですか?
小池 : いいよ聞いて〜
- ファッションに目覚めた時期っていつ頃ですか?
小池 : 洋服好きだなぁと思ったのは中学生の時で。
友達の家に行った時に、その日着てたワッフルのロンTをすごく褒められたんだよね。
それで
「あ、着てる洋服褒められるのって嬉しいな」
って思ったのが洋服に興味を持ち出したきっかけ。
高校生くらいになって。
ちょうどその時って俺らメンノン(MEN'S non-no) の世代ですよ。
セレクト系でビームスとかが流行ってる時代で。
色々な店見て買い物してたりしたんだけど、
高校三年生の時にラフシモンズがファーストコレクションを発表して。
それ見て「うわー超カッケー」って(笑)
それでファッション熱に火がついたかな。
- でもファッションの道には進まず、大学に進学したんですよね?
小池 : そう。お洒落かと言われたら、自分では特別お洒落ではないと思ってたし、
アパレルってやっぱり難しい部分もあるじゃない?
だからアパレルには行かないで、製図の勉強をしようと 機械系の大学に進学したんだよね。
だけどさ、行った大学が
「ちょーつまんなくて(笑)」
その話を友達に相談したら
「洋服にもパタンナーっていう製図みたいな仕事があるよ。」
って教えられて。
翌日にはエスモード(服飾学校)の夜間コースの入学手続きしてた。笑
- 行動早っ!笑 じゃあパタンナーがなんぞやということも深く知らないで飛び込んだわけですね。
小池 : そうそう。とにかく製図がしたくって。
それが好きなファッションだったら更に面白いだろうな。
っていうのがきっかけ。
エスモードには最初大学とダブルスクールで通っていたんだけど、
そこで (後に ARCH&LINEを一緒に立ち上げることになる) パタンナーの土屋と出会った。
彼、トアル縫いとかめっちゃ上手くてさ!
「こういう人がパタンナーになるんだろうなぁ・・・」
と思って、パタンナーを早々に諦め(笑)
「パターンのわかるデザイナーになろう」
って決めてデザインに方向転換していった。
「得意なものを、必要なところで活かす」
- そろそろ本題。ARCH&LINEを始めようと思ったきっかけを教えてください。
小池 : ARCHを始める前はTOMORROWLANDでメンズの企画をやっていて、
得意なのは当然メンズなんだけど、その中にはコンプレックスもあって。
ドロップ(生産中止)になる品番の理由の一つで
「小池の企画は甘すぎるとか、可愛くなりすぎる」
と言われてたんだよね。
TOMORROWだからさ、デザインをシュッとしなくちゃいけないんだけど、
意識的にシュッとさせなくちゃいけなくて。
自分が一番得意とする物つくりがここだと活かせない。
ある時に
「あれ?これってもしかして子供服なら活かせるんじゃない?」
って直感的に思った。
それで伊勢丹の子供服売り場に市場調査しに行ったんだけど、 そしたら自分の得意とする
「男の子で、綺麗めで、ちょっと可愛らしい」
そんなブランドはなくてさ。
それで子供服ブランドを作ろうと決めたんだ。
得意なものを、必要とされているところで活かす。
素朴なスタートだよ。
- ARCHE&LINEのこだわりってなんですか?
小池 : 素材感、色、シルエット+ちょっとした遊び心。
- じゃあ、ARCH&LINEにあって、他のブランドにないものってなんだと思います?
小池 : 絶対他にはないとは言えないけど。
二足歩行する人間、ヒューマン?老若男女問わずに
「なんかいいな。この服」
って思ってもらえる洋服を作ることを意識してる。
あとは、メンズのデザインには自信をもってやれているところかな。
- それってデザイン的なところで、ですか?
小池 : デザインもだし、シルエットとか。
そういう洋服が出来上がる瞬間が嬉しい。
- みんなに愛される服ってことですね
小池 : 人それぞれ好みはあるじゃない?
でも、自分たちのイメージする
「ちょっとトラッドで、キレイ目で、清潔感があって、ちょっと優しい」
っていうテイストが好きな人が来てくれた時に、
これ好き!!と言ってくれるような洋服を作っている自信はある。
- 小池さんの中では、ターゲットがかなり明確になってますね。
小池:こういうスニーカー履いてる人だったら好きだろう。
とか、ジョンマスター使ってたらきっと合うだろう。 とかね。笑
そこって漠然としてて明確な言葉はないんだけど、スタッフみんな共通認識として持ってる。
「ARCH&LINEを卒業するタイミングを作らないようにしたい!!!」
- 子供服の面白さってなんですか? 逆に子供服だから感じる難しさも聞きたい
小池 : それは同じことだな。
「自分たちが着れない」 っていうのが一番。
ARCH&LINEの服は
「着心地と見た目と耐久性を兼ね揃えながら、美しくありたい」
すごく難しいけど、それを作り出していくのが面白い。
何より、着てる子供本人が「自分でタンスから取ってくるクオリティ」じゃないとね。
試着した時に、本人も、それを見ている親御さんたちも
「あ、この服いい!」って思う瞬間。
それを感じた時が一番楽しいよ。
品質に関しては、ARCHで使ってる生地は地産地証明が出せるくらいのクオリティを徹底してる。
検品体制も凄いし。
普通じゃ良品として出すレベルの縫製でも、
社内の生産管理の徹底した検品があるから 生産管理がNG!
と言ったら絶対に売らない。
- サイズ展開をベビーから大人まで広げましたけど、どんな意図があるんですか?
小池 : 大人は一応最初からやってたんだけどね。
型数を増やしているのは、要望が増えたから。
ベビーから大人まで、老若男女問わず着てもらいたいと思ってる。
- そんなARCH&LINEは、今後どんなブランドに成長していってほしいですか?
小池 : より良いクオリティを作り続けるのは当たり前なんだけど。
これって答えにはならないかもしれないけどさ。
今ARCH&LINEを着てくれてる子供達が、大きくなっても着られるブランドでありたいし、
自分の子供にも着せたいと思われるようでいたいし。
大人になった時に
「昔も着てたし今も着てるけど、このARCHってどんな会社なんだろ。働いてみたい!」
って思われるようなブランドでありたい。
どこかでARCH&LINEを卒業しなくちゃいけないタイミングを作らないようにしたい。
「1年で20kg痩せたらみんなに心配されちゃったから体重増やしてるんだ。笑」
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- 真面目な話だけじゃ面白くないから、私が気なってること聞いていいですか? めっちゃ痩せましたよね。笑
小池 : ダイエットしたんだよね。 3年前に84kgまで増えちゃって。
着られる服がなくなった。笑
もう、そういうキャラでもいいかなーとも思ったんだけど、 着たい服が着られないし、
40歳手前でちょっと絞ろうと思って。
- どれくらいの期間で何キロ落としたんですか?どうやって?
小池 : 筋トレと糖質制限で1年でマイナス20kg。
最初に自分で色々調べて「これは食べてよくて、これはダメ」とか「この筋肉鍛えればいい」とか。
それの繰り返し。
途中から楽しくなっちゃってそこまで落としたんだけど、
会うバイヤーに 「大丈夫ですか?ご病気ですか?」って心配されちゃって。笑
それで4ヶ月くらいかけてちょっと戻してる。
ダイエットのポイントは腸内環境を整えること。
体質改善しながら痩せたことで、ずっと薬飲んでたくらい酷かった高血圧が治ったよ。
運動してる時は肩凝りもなかったし。
あと、なんでかわからないけど、視力がよくなった。笑
でも、痩せたら風邪引きやすくなったから、痩せすぎは注意!
適度な食事と適度な運動だねーやっぱり。
お酒はやめられないけどね。笑
「うわぁーこの配色最高!って言いながら死にたい」
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- そういえば仕事以外の時って何してます?
小池 : 難しい質問するなぁ。笑
何してるかなぁ。
家にはいるんだけど、なんだかんだ仕事してるかな。
スイッチがもうずっと「仕事」になっちゃってるんだよね。
ただ、仕事で出張が多いから、そういう時に頭切り替えられてるかな。
- 小池さんの将来の夢ってなんですか? これからこんな生き方したいな。とか。
小池 : 夢?夢ねぇ・・・(しばらく考え込む)
昔から飲み会で言ってるのは
「議員さん、とか、先生とか。笑」
- 出馬は冗談でしょうけど。笑 先生いいかも!教えるの上手そうですもん。
小池 : おしゃべりだからね〜
こういう生活したいとかは、俺ないんだよね。
でも死ぬまで服作ってたい。
俺、最期の最期まで
「うわぁーこの配色最高だわ!」
って色決めながら死にたい。笑
- それって凄い。私の周りはやり切ったら仕事スパッと辞めて海外で暮らしたい。 とかいう社長が多いですよ。
小池 : えー全然ない!そういうの!
もう、最期の最期までやりたいよ。
新しいこともまだまだやりたいもん。
- 天職ですね
小池 : 超楽しいもん。物作るの。
ずっと物作ってたい!
2時間に渡るロングインタビュー。
改めて小池氏にARCH&LINEについて掘り下げて聞いてみて
なぜここまでARCH&LINEに注目が集まるのか、わかった気がします。
「良いものを作る」 のはARCH&LINEにとっては大前提。
小池氏の頭の中には、今のARCH&LINEの先の先まで浮かんでいるようです。
【 ARCH&LINE / アーチ&ライン 】
「ARCH/曲線=寄り道・いたずら」 「LINE/直線=真っ直ぐ・真面目さ」
ARCH&LINEの
モノ創りの基本は、
子供と大人が一緒に
ファッションを楽しめること。
子供服でありながら
ディテールまでこだわったデザイン。
子供の成長と共に、
風合いも増していく
上質な素材を使い、
いつの時代でも
スタンダードで美しいと思える
服作りを目指しています。
"ARCH&LINE" means mischief and tidiness,
as well as curve and straight lines literally.
ARCH&LINE's policy in creation is based
on our desire to build a world
where children and adults can enjoy fashion together.
Our unique designs with characteristic details
go beyond childre's wear.
We use high-quality materials whose textures
mature as children grow older,
and our goal is to create
standard and beautiful clothes forever.
OFFICIAL WEB SITE
Instagram @arch_and_line_official