東京、大手町。
江戸時代には徳川家康を支えた酒井家の上屋敷があり、
江戸城(現皇居)の正門である大手門に近い一等地。
そこにあるのは、塔の日本旅館「星のや東京」
駅から直結する立地の良さと、伝統的な日本の「和」を感じられる建築やもてなしに、
国内外から多くのゲストが訪れています。
江戸小紋の麻の葉崩しをモチーフにした格子で覆われた外観。
横ではなく、地下2階、地上17階の縦の空間に、旅館の要素を展開。
青森ヒバでできた一枚板の大きな扉。
その先に広がるのは、
都会にいることを忘れる異空間。
四季折々の風情あるディスプレイと、
和服姿の案内人がゲストを迎えてくれます。
玄関で靴をぬぎ、畳を踏みしめながら客室へ。
ロビー、廊下、エレベーターの中までもが畳敷き。
藺草の香りと畳の感触が五感を刺激し、日本旅館の良さを再認識させてくれます。
菊や桜といった、花の名前がついた1フロア6室のみで構成される客室。
畳や栗と竹でできたクローゼットなど、自然の素材に包まれ、ゆったりとリラックスして過ごすことができます。
機能性はもちろんのこと、家族各々がリラックスして滞在できる空間作りはさすが。
非日常を味わうには、いつもと違うスタイルで過ごすことも大事。
キモノデザイナー斉藤上太郎氏によるオリジナルデザインの滞在着は、
「簡単な着脱、本格的、新しさ」をもったこれまでにないデザイン。
動きやすく、着心地が良い素材を使用しています。
各階にある「お茶の間ラウンジ」
畳続きの客室から裸足で自由に行き来でき、客室の居間としてくつろげる空間です。
同じフロアに親戚や友達同士で滞在し、このお茶の間ラウンジをリビング代わりに過ごすのもおすすめ。
子供から大人まで落ち着いて過ごせる空間。
客室だけでなく、このお茶の間ラウンジで読書やリモートワークも。
ゆったりと流れる時間の中で、
「日常的なこと」
をあえて時間をかけて、丁寧に。
旅館には欠かせない温泉は、最上階にあります。
東京の地下1500mから湧き出た温泉は、塩分の含まれたとろみのある湯。
内湯から洞窟のようなトンネルを抜けると、視界がパッと開け露天風呂に。
高い壁に囲われた露天風呂からは、都会の空がよく見える。
それでいて、東京にいることを忘れてしまう、今までに体験したことのない異空間です。
ぬるめの温度と風が心地よく、何時間でも入っていたくなります。
次回は、星のや東京の「食」をご紹介します。
Photographer : Toyohide Kanda
Writer : Asuka Ishikawa