icon_cross

Feature

tetoteがつなぐ
クリスマス

あなたも、誰かのサンタクロースに。

Share

tetoteという活動の話をはじめて聞いた時、

「なんて素晴らしいことをしてくれたんだ!」

という、嫉妬にも近い、感動と喜びを感じました。

なぜ、嫉妬なのか。
私も「こんなことができたらいいな」と思うようなこと、
でも、想像するだけで果てしなく大変なこと、に本気で挑戦している人がいる。
その事実が羨ましくもあったのです。


親なら、こどもには幸せでいてほしいと願います。
そして、その願いは必ずしも自分のこどもだけに向けられるものではないと思うのです。
この世に生を受けた全てのこどもは皆幸せでいてほしい、
幸せになる権利があると信じています。

今回TIAMでは、tetoteの活動をたった一人でスタートさせた
室井 麻希さんにインタビューさせていただきました。

tetoteサンタプロジェクトはどんな活動?

tetoteサンタプロジェクトは、様々な事情でサンタさん(クリスマスプレゼント)が来なかったり、
自分の希望するプレゼントが来ない子どもたちに、自分が選んだプレゼントを届ける活動です。

プレゼントを届けるサンタさん(大人たち)と子どもたちをマッチングしています。
児童養護施設で生活する子どもたちや、経済的な理由でプレゼントが来ない困窮家庭の子どもたちに2019年からプレゼントを贈っています。


このプロジェクトを始めたきっかけはなんですか?

児童養護施設を訪れたり、人伝いに話を聞く中で、クリスマスにプレゼントが来なかったり、来てもほしいものを選べなかったりする状況が日本の子どもたちにもあるということ知りました。

毎年クリスマスになるとたくさんのプレゼントがツリーの下に並んでいる投稿をSNSで見ていたので、
「 ひとつ分けてちょうだい」という気分で、2019年第二子の産休中にこのプロジェクトを思いつきました。

プレゼントを自分で運べそうな数施設に連絡を取ったところ、茅ケ崎の「 子どもの園」さんが手を挙げてくださいました。
初年度は自分のインスタで募集して、ダメだったら自分で買おう!と思っていたところ、数時間のうちに36人が手を挙げてくださり、すぐにサンタさんが決まりました。あの感動は今でも忘れられません。


「tetote」という名前にはどんな想いが込められていますか?

tetoteは 手と手を繋ぐ、手と手を取り合う」という意味です。
溢れているものを分け合ったり、あったかい気持ちを繋ぎ合ったり、そんな場でありたいと思っています。

活動を続ける中で、特に心に残っている出来事や、子どもたちとのエピソードがあれば教えてください。

活動を続ける中で、心に残っているエピソードは数えきれないほどあります。

▪️「子どもたちに悲しい思いをさせずに、クリスマスを迎えることができました」
あるひとり親家庭のお母さんから、こんなメッセージが届きました。

「今年はシングルになって初めてのクリスマス。収入も少なく、プレゼントを用意してあげられない自分を不甲斐なく思っていました。でも、tetoteサンタさんのおかげで、子どもたちに悲しい思いをさせることなくクリスマスを迎えられました。本当に感謝しています」

▪️また、長年クリスマスが存在しなかった児童養護施設で、忘れられない出来事がありました。

その施設では、tetoteが支援を始めてからも、プレゼントはサンタクロースではなく、支援者から届いたものだと子どもたちに伝えていました。それは、子どもたちの心を守るための施設側の愛情でもありました。

それでも私たちは、毎年必ずプレゼントを届け続けることで、いつか安心してサンタクロースの存在を伝えてもらえる日が来るかもしれないと願っていました。

そして昨年、ついにその日が訪れました。

施設から「幼稚園児たちが暮らす場所に、初めてクリスマスツリーを飾りました。今年からサンタさんが来ます」と連絡があったのです。

▪️支援を受ける側から、贈る側へと変わった方もいます。

前年までtetoteのクリスマスプレゼントを受け取っていたひとり親家庭のお母さんから、「今年は仕事を頑張って、念願のtetoteサンタさんになることができました!」という嬉しい報告が届きました。

▪️プレゼントを通じて、子どもとサンタさんの間に思いがけないつながりが生まれることもあります。

読書好きのお子さんが希望したのは、韓国の作家による3冊の本。偶然にも担当のサンタさんも読書家で、「自分にも同じ本を購入して、冬休みにゆっくり読んでみます」と話してくれました。

▪️また、野球のグローブを希望したお子さんのサンタさんの家庭には、高校生の野球少年がいました。家族みんなでスポーツ用品店に足を運び、お子さんのためにじっくりとグローブを選んでくれたそうです。

▪️そして、自分よりもほかの誰かを思いやる子どもの優しさに触れたこともありました。

あるひとり親家庭の中学生は、プロジェクトの話を聞き、「自分よりもプレゼントを必要としている子がいるはずだから」と参加を辞退しました。

しかし、親御さんと相談し、tetoteサンタさんからサプライズでプレゼントを贈ることに。

プロフィールに「アイドルのキャンディーズが好き」と書かれていたことから、昭和世代のサンタさんが張り切ってプレゼントを用意。お子さんにも大変喜んでいただけました。

こうした一つひとつの出来事が、私たちの心に深く残っています。


プロジェクトを通して、子どもたちや参加する大人たちにどんなことを感じてもらいたいですか。

私たちが子どもたちにいつかどこかで感じてもらえたら嬉しいと思うのは、
「自分はひとりじゃない」
という感覚です。

私たちは「子どもは社会の子ども」だと考えています。
血のつながりの有無に関わらず、困ったときに 大丈夫だよ」と手を差し伸べてくれる大人が周りにいる。
そんな安心感を子どもたちに感じてもらいたいと思っています。(それは我が子やどの子どもたちでもそうですが)

同時に、大人たちにも誰もが「 困った」「 助けてほしい」と言える社会であってほしいと願っています。
私も本当に困った時に 「助けて」を言うのが苦手なのですが。

子どもも大人も、お互いに手を取り合いながら生きていけるあったかい社会になったよいですね。
tetoteにはそんな社会に一歩近づけてくれるたくさんのステキなおせっかいおとながたくさんいるんですよ。


読者がtetoteサンタプロジェクトに参加したいと思った場合、どのような形で参加できますか?

ご参加頂く方法は様々あります。

①サンタさんとして参加:
子どもたちへクリスマスプレゼントを直接お送り頂きます。(予算約5,000円+送料)

②寄付で参加:
プレゼントやラッピング等、備品購入に充てさせて頂きます。昨年は一つの施設分寄付を下さった方もいらっしゃいました。

③活動を広める:
SNSで広げていただいたり、チラシを置いていただくことでtetoteの活動を広げるお手伝いをしていただく参加の仕方です。

④「 拠点サンタさん」として参加:
サンタさんと子どもたちを繋ぐボランティアさんの募集も10/16~始まります。

サンタプロジェクト参加方法の詳細はオフィシャルウェブ、Instagramをご覧ください。
WEB SITE

Instagram@tetote_japan

今年の応募はこちらの投稿をご覧ください。

最後にこれからtetoteサンタプロジェクトを通して実現していきたいことを教えてください。

先ほどのご質問に書かせていただいた「子どもも大人も、お互いに手を取り合いながら生きていけるあったかい社会になったら」ということが一つ。

それからクリスマスプレゼントが来ない子供が一人もいない社会を本気で実現したいと思っています。
もっと基本的で大事な支援があるというご指摘もあるかもしれませんが、子どもにとってクリスマスは 「一大事」です。
夢の中に住める子ども時代の一イベントを、我々大人で是非守っていきたいです。

室井麻希
宮城県出身。大学卒業後、外資系広告代理店に入社。その後、香港を拠点にアジア各地でモデルとして活動。帰国後は国内外のファッションブランドでPR・マーケティングに携わる。現在は新たな分野でキャリアを重ねる傍ら、子どもたちにクリスマスプレゼントを届けるプロジェクト「tetote」の発起人として活動。プライベートでは2児の母。

一年に一度、こどもたちが待ち侘びる特別な朝。

様々な事情でサンタクロースからプレゼントが届かない子供たちがいます。
子供たちみんなにとって、特別なクリスマスであってほしい。

だから私は、今年も誰かのサンタクロースになろうと思います。


Text & Interview by 石川明日香

  • footer_sns_instagram
  • footer_sns_youtube
  • footer_sns_facebook