「⼀着⼀着の中⼼にある⼥性たちの⼿を守り続けること。それが、これからも変わらない⽬標です。」
そう語るのはSMOCK LONDONのファウンダーLaura。
「安く、早く、たくさん。」
今のキッズファッション業界を見ていると、
それが良しとされる流れを感じることがあります。
そんな中で「大量生産はしない」「一着のドレスを作るのにかかる日数は最大3日」「デザインも焦らない」
と、まさに真逆のことを行うSMOCK LONDON。
それなのに、なぜこんなにも世界で愛されているのか。
きっとこのインタビューを読めば、SMOCK LONDONのドレスを手に取った時に感じる
この重み(実際はとても軽いのですが)の秘密がわかるはずです。
⼀着の服の奥にある⼥性たちの⼿仕事、家族の記憶、そして失われつつあるクラフトを未来へつなぐこと。
Lauraの⾔葉から、SMOCK LONDONが⼤切にしているものを聞きました。

⼤学で出会ったファウンダーのふたり。⼀緒にブランドを始めたきっかけは?

私たちは⼤学時代に出会い、SMOCK LONDON が⽣まれるずっと前から友⼈でした。ブランドは、
⻑い時間をかけて育まれてきた、とても⾃然なクリエイティブ・パートナーシップから⽣まれたもの
です。
⼆⼈とも美しい⽣地や伝統的なクラフト、⾊、そして記憶や意味を宿す服が好きでした。
それぞれに3⼈の⼦どもがいて、末の⼦が⽣まれた頃、「⼀緒に何かを始めよう」とSMOCK LONDONを⽴ち
上げました。突然思いついたというより、何年も続けてきた会話の延⻑にあったように思います。
私たちが作りたかったのは、喜びがあり、思慮深く、⻑く残っていくもの。そして、きちんと⽬的を
持ったブランドです。完成した服だけでなく、その服を作る⼥性たちと⼿仕事そのものを称える存在
にしたいと、最初から考えていました。
私たちは異なる視点を持っています。ひとりは広告、もうひとりはホームウェアの仕事をしていまし
た。でも、SMOCK LONDONをどんなブランドにしたいかという感覚は共通しています。
温かく、どこか懐かしく、カラフルで、丁寧に作られ、愛情に満ちていること。それが私たちの軸です。
なぜスモッキングという伝統技法に特化したブランドを作ることになったのですか?

スモッキングはとても美しく、複雑でありながら、今では技術を持つ⼈が少なくなっているクラフ
トです。すべてのステッチが⼿作業で施され、⼀着ごとに、作り⼿である⼥性の時間、技術、そして
思いやりが刻まれています。そこには、とても⼈間的な魅⼒があります。
スモッキングは、ゴムがなかった時代に、農作業をする⼈々が動きやすく、伸縮性のある服として⾝
につけていた英国の⻑い伝統から⽣まれました。その後、⼦ども服や特別な⽇の装い、受け継がれる
服と結びついてきました。私たちはその歴史を⼤切にしながら、鮮やかな⾊や現代的なシルエット、
⼦どもだけでなく⼥性のためのアイテムを通して、フレッシュに再解釈したいと考えました。
私たちにとって、スモッキングは単なる装飾ではありません。それこそが服の中⼼であり、物語の始
まりです。
デザインやものづくりにおいて、⼤切にしている価値観は?

⼀番にあるのはクラフトマンシップです。ただ、私たちは作り⼿がすべて⼥性であることから、親
しみを込めて「craftswomanship」と呼ぶこともあります。
デザインはいつも、⼿仕事によるスモッキングへの敬意から始まります。⼀着を完成させるまでに必
要な技術と時間を、決して⾒えないものとして扱いたくありません。
また、⻑く着られることも⼤切です。着て、愛して、家族や友⼈へ受け継ぎ、記憶とともに残ってい
く服を作りたい。そのために、天然素材、楽しくありながら時代に左右されない⾊、特別でありなが
ら⼤切にしすぎず⽇常にも着られるシルエットを選んでいます。
⽣産は限られた数量にとどめています。必要以上に作ることはせず、実際に届けられる分だけを丁寧
に作る。各エディションが、よく考えられた、パーソナルな存在であることを⼤切にしています。服
の価値は⾒た⽬だけではなく、その背景にある物語、時間、⼈の⼿にあると考えているからです。
デザインやカラーパレットは、どのようなものから着想を得ていますか。

インスピレーションは、本当に⾝の回りのさまざまな場所にあります。
ヴィンテージのテキスタイル、古い児童書、英国の庭、インテリア、家族写真、旅、アート、季節の移ろい。特に私たちは⾊に
強く惹かれるので、ひとつの⾊や、あるムード、感覚からコレクションが始まることも多いです。
夏なら、ガーデンパーティーの⾊、少し褪せたフローラルプリント、暑い⽇に着るコットンの軽やか
さ。冬なら、キャンドルの光、タータン、ベルベットのリボン、クリスマスを囲む温かさや懐かしさ
からイメージを広げます。
⽇本を訪れるたびに、新しい発⾒や刺激をたくさんもらっています。⽇本ならではの美意識やものづ
くりに触れることで、「こんな表現もできるかもしれない」と、新しいアイデアが⾃然と⽣まれてく
るんです。
そして、スモッキングそのものが出発点になることもあります。ハートやリボン、虹、季節のモチー
フなど、⼩さな刺繍やステッチが服の中に物語を⽣み出していく。最も⼩さなディテールが、最も⼼
に残る部分になることもあるのです。
また、ハンドスモッキングはとても時間のかかる⼿仕事です。⼀着を完成させるまでにも多くの⼯程
があり、商品開発にも時間を要します。
だからこそ、私たちはデザインを急がないようにしています。アイデアをじっくり育て、時間をかけ
て形にしていく。そのゆっくりとしたプロセスも、Smock Londonらしいものづくりの⼤切な⼀部だ
と考えています。
新しいアイデアや創造性を育てるために、意識していることはありますか。

いつも好奇⼼を持ち、ファッションだけを⾒ないようにしています。
インテリア、アート、ほかのクラフト、本、古い写真、互いの会話、お客様との会話、そして旅。今回のように⽇本を訪れることも、必ず新しいアイデアにつながります。
私たちは、アイデアが育つための時間も⼤切にしています。ハンドスモッキングはゆっくりとした⼿
仕事で、商品開発にも時間がかかります。だからこそ、デザインだけを急ぐことはしません。そのリ
ズムに合わせながら、⽣地、ステッチ、⾊、そしてその服が持つ感情を、時間をかけて考えます。
常に話し、参考になるものを共有し、過去のアイデアをもう⼀度⾒直し、互いにやさしく問いかける。
SMOCK LONDONは、ずっと⼆⼈の会話の中から育ってきたブランドです。
ロンドンと⽇本では、⼤⼈や⼦どものファッションにどのような違いを感じますか。
ロンドンのファッションはとても折衷的で、表現することに⾃由があります。⾊やプリント、ヴィ
ンテージ、伝統とモダンを思い思いに組み合わせています。⼦ども服には今もクラシックなドレスを
愛する⽂化がありますが、少し遊び⼼があり、気負わない雰囲気もあります。
⼀⽅、⽇本のファッションは、とても思慮深く洗練されていると感じます。ディテール、⽣地、プロ
ポーション、クラフトへの理解が深く、シンプルな服でさえ、隅々まで考えられている。抑制と創造
性、伝統と現代性をバランスよく共存させる⽇本のスタイルを、私たちはとても尊敬しています。
特に⽇本の⼦ども服には、⼩さなディテールの美しさや品質に対する繊細な感覚があります。それは
SMOCK LONDONととても近いものです。スモッキングは⼀⾒すると静かなクラフトですが、近く
で⾒れば、膨⼤な⼿仕事と配慮があることがわかります。⽇本のお客様は、そうした部分をよく理解
してくださると感じています。
SMOCK LONDONを通して、どのような価値やメッセージを届けたいですか。

服は、責任を持って丁寧に作られながら、同時に楽しく、美しく、意味のある存在になれる。その
ことを伝えたいと思っています。
ブランドの中⼼にあるのは、⼥性たちの⼿仕事への敬意です。
⼀着のスモッキングの服には、何時間もの技術、忍耐、そして伝統が込められています。
お客様にもその背景を⾝近に感じ、量産されたものとは異なる、⼿仕事ならではの価値を知っていただきたいです。
同時に、私たちは服を着ることの感情的な側⾯も⼤切にしています。SMOCK LONDONの服は、誕
⽣⽇、休⽇、結婚式、家族のお祝いなど、特別な瞬間に選ばれることがよくあります。
以前、ロイヤル・オペラ・ハウスで『くるみ割り⼈形』を鑑賞する特別な夜に、インフルエンサーの⺟娘をご招待
し、皆さんにSMOCK LONDONを着ていただいたことがありました。私たち⾃⾝も娘たちを連れて
参加しました。
⺟と⼀緒にバレエを観たこと、その⽇に着ていたドレス。そうした出来事は、家族にとって⼤切な記
憶になります。SMOCK LONDONの服は、まさに思い出を作るための服。そして、その服をいつか
⼦どもへ⼿渡すことで、思い出も⼀緒に受け継がれていく。そんな存在でありたいのです。
伝統的なクラフトは、決して古めかしいものではありません。新鮮で、現代的で、今の暮らしに寄り
添い、⽣命⼒に満ちたものになれると信じています。
今後、ブランドとして挑戦したいことや⽬標を教えてください。
SMOCK LONDONらしい親密さやクラフトを失わずに、思慮深く成⻑していきたいです。価値観
を共有できるアーティスト、デザイナー、ブランドとのコラボレーションにも、さらに取り組みたい
と思っています。
また、お客様が実際に服を⾒て、触れて、体験できる機会を増やしたいです。ロンドンのキングス・
ロードで初めてポップアップを⾏った際には、お客様と直接会い、試着していただき、服の質や⼿仕事を⽬の前で感じてもらうことができました。スモッキングは、近くで⾒ることで初めて、その時間と技術がより深く伝わるものです。
私たちは、美しい服を作るブランドとしてだけではなく、このクラフトを未来へ守り、価値を伝える
ブランドとして知られたいとも考えています。スモッキングを学ぶ⼈を増やすため、⼿仕事の⽅法を
紹介する本も作りました。今では世界的にも技術を持つ⼈が少なく、失われつつあるクラフトだから
です。
⽇本を含め、世界中のより多くのお客様に届けながらも、スローな⽣産、限られたエディション、そ
して⼀着⼀着の中⼼にある⼥性たちの⼿を守り続けること。それが、これからも変わらない⽬標です。
母から娘へ、そしてその先の世代へ。
時を超えて受け継いでいきたいと思える一着。
SMOCK LONDONのスモッキングには、職人の手仕事とともに、家族の記憶や物語が紡がれています。
いつかこの一着が、誰かの大切な思い出の一部になりますように。
Writer / Asuka Ishikawa

ABOUT SMOCK LONDON(スモック ロンドン)
2019年、Kajsa MclarenとLaura Burchによってロンドンで設立されたキッズファッションブランド。
伝統的なスモッキング刺繍を現代的に再解釈し、熟練した職人による繊細な手仕事と、
モダンなデザインを融合したコレクションを展開しています。
すべてのアイテムは職人の手によって一点一点丁寧に仕上げられ、
世代を超えて受け継がれることを大切にデザインされています。
2023年4月に日本初上陸。2024年にはスモッキング刺繍のガイドブック『ROCKING SMOCKING』を出版。
2026年3月には、伝統技術の継承や職人コミュニティへの継続的な支援など、
サステナビリティへの取り組みが評価され、
国際的な認証「Butterfly Mark」を取得しています。
Instagram @smocklondonjapan
https://www.smocklondon.jp/

Present from TIAM
SMOCK LONDONの一着一着に、どれほどの想いが込められているか、感じていただけたでしょうか。
今回は、秋冬のオケージョンシーンにもぴったりなチェックドレスを、TIAM読者の中から1名様にプレゼントいたします。
特別な一着とともに、特別な思い出を。
応募方法はTIAMのInstagramをご覧ください。
